2005年12月16日

44. リバウンド・フットワーク&スプリング・コントロール

(2004/09/14アップ。9/23修正改良)

 いきなりですが、まず次の動画をご覧下さい。

動画:超高速フットワーク
超高速フットワーク
★画像をクリックして下さい★
(MPEG-1 350Kbps 1.44MB)
動画がうまく見れない場合は…

 BPM140の『片足連打』と、BPM260の『両足シングルストローク』という、ほとんどギャグ(!?)のような超高速フットワークです。(こんなこと出来たからってどーすんねん!)

 実演奏ではほとんど使うことのない超高速フットワークですが、皆さんも手の練習の際、スピードアップのために、あまり実演奏では使わないルーディメンツ等を練習したりしていると思います。
このパターンはあくまでそういった“練習用のパターン”と思って下さいね。(動画では小野瀬も坂野上も、ふざけて遊んじゃっていますが、彼らも普段は、こういった演奏は全くしません。)

 ちなみにこの動画では、バスドラムにトリガーも使っていませんし、収録マイクも家庭用ビデオカメラ本体のマイクです。(マイクとは呼べないかもしれませんね。) つまり、皆さんが旅行や運動会で撮影する時と全く同じ方法で、撮影・録音しています。

 通常、高速フットワークを行うには、足のスライド奏法や、アップダウン奏法で行うと言われているようです。また、速く踏めるようになるためには、「どうしても筋力が必要で、スネやフクラハギの筋肉を鍛えなければならない」とも、よく言われているようです。

 ですが、この動画では全く別の方法で行っているのが、おわかり頂けたでしょうか?

 よくよく考えると、実際にトレーニングをして、皆さんはできるようになった事があるでしょうか? それどころか、無理してトレーニングをした結果、腰痛になったり足を痛めたりしてしまった人も多いのではないでしょうか?

 今回は、フットペダルを理科で考える(!?)事で、本当に小さな力でもフォルテの音量・音圧が可能な方法である「スプリング・コントロール奏法」と、バディ・リッチやデニス・チェンバースがバネを外してまで練習していた、「リバウンド・フットワーク奏法」という2つの足奏法を紹介します。 この動画では、その方法と足モーラー奏法を合わせる事で、力を使わずに高速フットワークを可能にしているのですよ!

フットワークに筋力を鍛える必要など絶対にありません!! 筋力が必要になってしまう人は、『小中学校で習った理科』を、ペダルの動きに応用できていないだけなんですよ!!


■STEP1 手の指三本!?

 ところで皆さんは、ペダルの「フットボードを割るつもり」で、また「バスドラのヘッドを破るつもり」で、つまり、そんなにキックを強く踏んだら手が叩けなくなるくらいに、『フットボードを脚で思いっきり踏んだ音圧・音量』と、『フットボードを、たった“手の指3本”で押したバスドラムの音圧・音量』とでは、どちらが勝ると思いますか?

「そんなの脚に決まってるだろー!」と思い込んでいる人も多いと思います。
しかし、K's MUSICの「初回レッスン」で必ず行っているメニューのひとつに

「主宰の小野瀬の手の指たった3本に、入校された生徒さんが、脚のフルパワーで対抗する」

というものがあるのです。

 その際、生徒さんには『ペダルを壊したりヘッドを破いても構わないので、遠慮せず思いっきり大きな音を出して下さいね!』と、あらかじめ指定までしてあります。

 では次の動画で、その初回レッスンの模様をご覧下さい。

動画:手の指3本vs脚のパワー
手の指三本v思いっきり脚
★画像をクリックして下さい★
(MPEG-1 221Kbps 1.43MB)
動画がうまく見れない場合は…

 いかがでしょうか? この動画は実際の初回レッスン時の模様で、もちろん「ヤラセ」などではありません。(各生徒さんの許可を得て、使わせて頂きました。)

 生徒さんが身体が揺れるくらい思いっきり踏んでいるのに、小野瀬の手の指3本に音圧も音量も及ばないのをご確認頂けたと思います。(これもマイクとは呼べないような、家庭用ビデオカメラ本体のマイクで録っているので、勝手にリミッターがかかって、同じくらいの音量に録れてしまっていますが、実際の音は小野瀬の方が1.5倍くらい大きいのが、各生徒さんのリアクションで、お分かり頂けると思います。)

 実は入校されたアマチュアさんやレッスンプロの方の7割~8割は、小野瀬が手の指3本でコントロールするバスドラムの音圧・音量にかなわないのです。(現役プロの方でも4割~5割ぐらいの方は、入校時には小野瀬の手の指3本にかなわないという結果になっています。)
 それは決して「小野瀬の指の力がとてつもない」からでも無く、もちろん「ペダルやバスドラムに仕掛けをしている」わけでもありません。(ちなみに、小野瀬の握力は40kg程度です。)
 ですので、今回登場頂いた三宅晃史さんや上田健史さんや山背弘さんも、K's MUSICのレッスンを受けて、現在では、手の指3本以上の、とてつもない音圧を、どこも力む事なく出せています。

 ではなぜ、手の指3本という、「とーっても小さな力」で、普通のドラマーさんの「脚のパワー」に勝ててしまうのでしょうか???


■STEP2  スプリング・コントロール

 実は小野瀬は「スプリング・コントロール」という足の奏法を、手の指3本に置き換えることで、大音量を可能としていたのです。

 「スプリング・コントロールって何!?」って人のために、まずは一緒にフットペダルを小中学校の理科を使って、考えてみましょう。(実はフットペダルの構造上、下の図のように、正確な扇形にはなりにくい事を、あらかじめお断りしておきます。)

 
0°ポジション

 写真①は、フットペダルを真横から見た写真です。

 バスドラムにセットして何も触れなければ、ビーターは、約2時を指すこの状態になっています。

 この状態を0度ポジションとします。

+60°ポジション

 写真①の状態から、写真②の様に、手でビーターを+60度の所まで押してみて下さい。

 スプリングによる力で、写真③の-30度ポジションの方向へ戻ろうとしているはずです。
 (ここでパッと素早く手を離したら、スプリングの力で一気に-30度のポジションまで移動します)

-30°ポジション

では今度は写真③の-30度のポジションへ手でビーターを押してみて下さい。

 今度は写真②の+60度のポジションの方向へ、スプリングの力で戻ろうとしているはずです。
 ここで手を離すと、ビーターは一気に+50~+60度ポジションに移動します。

 つまり、『フットペダルのスプリング作用』は、-30度から0度は、踏む方向へのサポート力(下り坂?)になるのに対し、0度から+60度までは、踏む方向への反発力(上り坂?)となっているのです。
 したがって、0度からフットボードを踏むためには、スプリングの抵抗を受けながら、ビーターを加速させなくてはならないのです。
しかし、フットボードに軽く足を乗せ(乗せるだけで、足の重さで+50~60度ポジションになります) 素早く足を離すと、ビーターは-20~30度ポジションまで移動します。
そこまでビーターが戻ってきた瞬間、-30度から0度まで、フットボードをスプリングの力に沿って、後押ししてあげれば、ビーターは『スプリングが戻ろうとする力との相乗効果』で、物凄い勢いで加速をし始めるのです。

 小野瀬は、まず指の力で、フットボードを押して+50~+60度ポジションをとった所から、素早く指を離し、ビーターが-30度ポジションにきたところで、-30度から0度までという、ごく短い時間だけスプリングの力に指の力を添えて、ビーターを加速させているだけなんですよ!

 つまり、動画の生徒さん達は、0度から+60度まで、体重を乗せ、足の力をも全部出しきって踏んでいるのに対し、小野瀬は-30度から0度まで指で押しているという事なのです。
たとえて言うなら、生徒さん達は、急な上り坂に対して『原チャリでフル加速』しているのに対し、小野瀬は急な下り坂を『ママチャリで加速』している様なものだったのです。

●スプリング・コントロール奏法●
スプリング・コントロール・ペダル奏法
まずは、フットボードの動く角度に要注目! フットボードは全体で約20度動きますが、コントロールに必要なのは、水色の部分の「わずか4~5度だけ」です(もちろん出したい音によっては踏み込んでクローズにする事も可能)
ヒットの瞬間、足はペダルから離れている事にも要注目です!(ですので、1997年2月発表の、ドラミングアドバイス第8回『みかんとフットワーク』にあるように、フットボードに置いたみかんを潰さずに、フォルテの音量で演奏する事が可能なのです!)
スプリングコントロールのできていないドラマーにとっては、“今までに体験した事のない程の音圧”が出せる。
ビーターをたくさん返すことで、振り幅が約90度前後となり、ビーターにより強く遠心力をかける事ができる。
踏んでビーターを動かすというより、抜く(離す)ことの連続動作が基本。
●日本的奏法●
44_jahu1.jpg
ヒールアップ奏法①
44_jahu1.jpg
ヒールアップ奏法②
44_jahu1.jpg
ヒールアップ奏法③
日本的フットワークでは、足がフットボードから完全に離れてしまうなど、言語道断とされている。
スプリングによる力を、ビーターを戻す事にしか使えない
バネの反発力に逆らいながら踏むという「キツイ条件」の中で「スプリング・コントロールの約2倍」の15度近くも、フットボードを動かさなくてはならない。
スプリングの反発力に加えて、足裏の接触面が「クッション」の役割をしてしまうので、連打も難しくなり、パワーのロスも大きい。
速く、強く踏もうとすればするほど、スプリングの反発力に対抗するための力が必要になるので、筋肉を鍛えざるを得ない。(しかし悲しいことに、いくら鍛えてもスプリングコントロールを行うドラマーの音圧には到底及ばない(T-T)
遠心力を利用したくても、振り幅がたった60度前後では、ほとんどその恩恵にあずかれない。
小さい音を出す時や、ゆっくりな音符を踏むにはベストマッチ!!

 スプリングコントロール奏法をマスターしてしまえば、誰だって「手の指3本」という、とっても小さな力で、大音圧・大音量を出せてしまうのです。
それを「手の指の何十倍も力のある足」で行うのですから、一体筋肉のどこを鍛えればいいのでしょうか?
逆に言えば、この方法さえマスターすれば、超脱力した状態で、身体のどこも痛くならずに、ごく小さな力で大音圧でプレイできてしまうのですよ!

 ではここで、実際にバスドラムを『フルパワーで演奏した日本的フットワーク』と、『脱力した状態でのスプリングコントロール奏法』の音圧の違いをご確認下さい。

 あえて、スネアもシンバルも、これ以上ないくらいの大音量で叩いていますので、それをバスドラムの音量の目安にして頂けると、音量差がわかりやすいと思います。

動画:日本的奏法と
スプリングコントロール

日本的奏法vsスプリングコントロール
★画像をクリックして下さい★
(MPEG-1 350Kbps 838KB)
動画がうまく見れない場合は…

 いかがでしょうか?

 スプリング・コントロールの音圧・音量を確認して頂けた事と思います。 非常に楽に行えるにも関わらず、音圧・音量もバスドラムが鳴りきってしまうくらい出てしまうのですよ!

 超一流ドラマー達だけでなく、海外のプロドラマー達にみられるフットワークの原理も、実はこの「スプリング・コントロール奏法」によるものが、ベーシックになっているのですよ! そのせいもあって、日本人ドラマーのほとんどがクローズド(ヒット後ビーターがヘッドに着いたまま)になるのに対し、海外のドラマー達の多くが、日本人ドラマーの倍ぐらいの音圧をオープン(ヒット後ビーターがヘッドから離れる)で出せているのです。

 スプリング・コントロール奏法を行っている有名なドラマーとしては、バディ・リッチ、チャド・スミス、デニス・チェンバース、デイブ・ウェックル、etc, 例を出すと本当にキリがありません。 逆に海外のプロドラマーで、スプリング・コントロール奏法を使っていないドラマーさんを探す方が、かなり大変です。

 もちろん、クローズドがダメと言っているわけではありません。 ですが、クローズドしか出来なかったり、音量や音圧を極端に下げてしかオープンにできなくては、もったいなくありませんか? 日本にも山木秀夫さんのように、オープンと、クローズドを使い分けてリズムパターンを叩き、非常に遠近感のある表現をしている人もいます。

 また、スプリング・コントロール奏法で踏み込んでクローズドにすれば、『音のひずんだ大迫力の音圧』も可能なのです!
スティックワークに剛性コントロール奏法があるように、フットワークにも剛性コントロール奏法があるのですよ! ですから、皆さんも、スプリング・コントロール奏法をマスターして、ご自分の表現の幅を広げてみてはいかがでしょうか?

 ドラム歴4~5年以上になるドラマーさんでも、スプリングコントロールによるバスドラムの大音量と大音圧を体験しているドラマーさんの方が圧倒的に少ないのは、K's MUSICに入校された、たくさんのドラマーさんの例からしても、明白です。 現役プロドラマーの方でも、K's MUSICでそのあまりの音圧を体験し、驚かれる人も多いのです。
バスドラムは、本当は、もっともっと鳴る楽器です。スプリングコントロールをマスターすれば、あなたのバスドラムも、今の2倍・3倍の音圧と音量で鳴り始めるんですよ!

 このスプリング・コントロール奏法を「無意識にやっているよ!」とか「知ってたよ!」と思う人もいるかも知れませんが、日本ではほとんど使えている人がいない方法なのです! ですので、もし本当にできているかどうか確認したい方は、友人ドラマーに頼んで思いっきり脚で踏んでもらい、そのパワーに、手の指3本で勝てるかどうかをテストしてみて下さいね! 足よりも手の方が器用なので、最初は手でできるようにした方がつかみやすいかも知れませんよ!


■STEP3 みかんとフットワーク

 1997年2月発表のドラミングアドバイス第8回『みかんとフットワーク』の、

「その気になれば、バスドラムのペダルボードにみかんを固定し、みかんをつぶさないで、バスドラムをフォルテの音量で演奏する事も可能なのです。」

 という説明を読んだドラマーさん達から、ドラミング電話無料相談で「本当にできるのですか??」という質問をたくさん頂いています。 もしかしたら、皆さんの中にも『いくらなんでも、できるわけない!!』と思っている人が多いでしょうか?

 ですが、スプリングコントロール奏法を使えば、みかんを潰さずにフォルテで演奏できてしまうのです。 なぜなら上記にあるように、踏んでいるのは水色の部分だけなので・・・

え?

ウンチクはもういい?・・・わかりました(笑)

 それでは、論より証拠! 次の動画をご覧下さい。この動画も、あえてシンバルとスネアを大音量で叩いていますので、それを『目安』にすると、キックの音量がわかりやすいと思います

動画:みかんとフットワーク
みかんとフットワーク
★画像をクリックして下さい★
(MPEG-1 350Kbps 1.25MB)
動画がうまく見れない場合は…

 いかがですか? 実際にやってしまうと「ギャグのネタ!?」になってしまいますが、スプリング・コントロール奏法を使えばこんな事も可能なんですよ! フットボードに両面テープでみかんを固定しているので、その“みかんの重さ”のせいで、ペダルの動きがかなり鈍くなっていますから、とても確認しやすいのではないでしょうか?

 スプリング・コントロール奏法を、あなたが本当にできるようになっているかどうかを確認する方法のひとつとして、興味のある方は、実際にみかんを置いてやってみてはいかがでしょうか? ですが、動画にもある通り、日本的奏法で踏むと、みかんは一発で潰れてしまいますので、よく注意してやって下さいね!(今回は触れませんが、重心位置もかなり重要になってきます。)

 「みかんを潰してスタジオのお兄さんに怒られた!」 「みかんの汁でペダルが錆びた!!」 「食べ物を粗末にするなと怒られた!!!」等の、責任は一切K's MUSICでは負いかねますので(笑)、自己責任で行って下さいね(笑)


■STEP4 リバウンドフットワーク奏法

 勘のいい人ならすでに気づいているかも知れませんが、スプリング・コントロール奏法では、一番最初の動画のような超高速フットワークは、物理的に無理なのです。

 そこで、スティックにリバウンド奏法があるように、フットワークにも「リバウンド・フットワーク」があるのです!
ところで皆さん、リバウンドフットワークと言うと、「スティックをビーターに置き換えて考える人が多い」ためか、「ヘッドとビーター間のリバウンド」というものを、まずイメージしてしまうのではないでしょうか?
しかし、よーく考えて下さい。 ビーターはスプリングによる力で、勝手に返ってくるのですよ。
ですから、バディ・リッチやデニス・チェンバースが、フットペダルのスプリングを外して練習していたのは、
フットボードと足裏間のリバウンドを得るための練習法だったのです。  
一番最初の“超高速フットワークの動画”はこの「リバウンドフットワーク」を行ってプレイしているのです。

 もちろん「スプリングコントロール奏法」だけでも、ロックからフュージョンに至る、ほとんどの曲に対応出来ます。ですが、一番最初の動画のように、極端に速い連打になると、ビーターが最大限戻ってくるための時間が、物理的に足りなくなってきます。

-30度
ビーターがここまで返るには時間がかかる
+20度+40度
極端に速い連打では、この辺りまでしかビーターが返らない

つまり「-30度」の場所まで戻るのを待っていては、テンポに間に合わないので、「+40度」~「+20度」くらいのところに来た時に、“つつく”動作になるのです。 ですので、フットボードと足裏は、離れている時間の方が長いのです。 ペダルと足裏の接触面積を減らして、フットボードと足裏との間でリバウンドを起こす事で、「普通は不可能と思われるスピードの連打が可能」になったり、通常なら極端にパワーが下がってしまうプレイも「メゾフォルテ~フォルテぐらいの音量で演奏」できてしまうのです!

そこで次の表をご覧下さい。

 
フットボードに対する
脚のポジション
フットボードと
足裏の接触面積
特徴
足はペダルボードに対して
外旋(ガニマタ)

44_mas.jpg
靴の外側ヘリを使う
44_kutu2.jpg
靴のツマ先部分を使う事で、ペダルボードと足裏の関係を意図的に不安定にさせる。
ビーターが異常な速さで跳ね返っていくため、音も太く、スピードプレイも可能。
小さな音が出しづらい。
股関節を有効利用する円運動フットワークを行う際の、外旋(ガニマタ)のフットワーク。
靴の外側のヘリを使ってペダルボードと足裏の接触面積を少なくする。
デニス・チェンバースやデイヴ・ウェックルに代表されるフットワーク。
ペダルボードの外側ヘリを使う
44_kutu3.jpg
青文字の特徴は同上
これも外旋(ガニマタ)フットワーク。
「わざと」ペダルボードのヘリを踏む事で、ペダルボードと足裏の接触面積を少なくする。
普通のドラム教室では“絶対やってはいけない”とされる踏み方かも知れませんが、非常に楽に踏めるので、皆さん是非お試しあれ!!
小野瀬のBPM260超高速ツインバスの動画では、このフットワークで行っています。
フットボードに対する
脚のポジション
フットボードと
足裏の接触面積
特徴
脚はペダルボードに対して
内旋(内マタ)

44_mas.jpg
靴の内側ヘリを使う
44_kutu5.jpg
青文字の特徴は同上
円運動フットワークを行う際の、内旋(内マタ)のフットワーク。
靴の、ツマ先の左のヘリを使ってペダルボードと足裏の接触面積を少なくする。
ヴィニー・カリウタに代表されるフットワーク。
これもパッと見では気付けない人が多いようですが、よーく見てみると、確認できると思いますよ!
ペダルボード内側のヘリを使う
44_kutu4.jpg
青文字の特徴は同上
これも内旋のフットワーク。
わざとペダルボードのヘリを踏む事で、ペダルボードと足裏の接触面積を少なくする。
これも「禁じ手」(笑)と思うかも知れませんが、主宰の小野瀬はワンバスの時、この踏み方をメインとしているのですよ!
坂野上の、BPM140シングル超高速連打の動画では、このフットワークを使って行っています。
フットボードに対する
脚のポジション
フットボードと
足裏の接触面積
特徴
足はペダルボードに対して
ほとんど真っ直ぐ

44_mas.jpg
靴のツマ先部分を使う
44_kutu6.jpg
青文字の特徴は同上
脚がほとんど真っ直ぐになっているので、慣れていない人は日本的フットワークと間違えやすい
日本的フットワーク44_kutu0.jpg
日本的奏法の基本とされているフットワークで、最も力が伝わりやすいと誤解されている。
足裏の接触面積が多いので、フットボードに対してクッションの役割をしていまい、動きが鈍い。
1発だけなら安定感があるので、とてもやりやすいが、連打になった途端、極端に音量が下がったり、続かなくなる。
ゆっくりとしたフレーズや、小さな音でプレイする時にベストマッチ。
初心者が踏めるようにするためには、とてもやりやすいので覚えやすいが、この方法で練習しても連打は難しい。

「足の裏とペダルボードの接触面積」を増やしてしまうことは、「足の裏にクッション」を付けてしまう事と、全く同じなのです。
このようにフットワークを『理科』で考えると、足の裏のクッションで『フットボードが戻ってくるエネルギーを一旦吸収しゼロに戻して』から、その後に『自分の筋肉で作り出したエネルギーをフットボードに伝え続ける』という日本的フットワークが、いかに、効率の悪い事かおわかり頂けたと思います。
日本的フットワークの連打では(1発だけならいいですが)、かなりの筋力が必要になってしまったり、極端にパワーが無くなってしまったりする「大きな原因」は、ここにあるのです。

 一般的に言われている「基本奏法」とは、本当のドラム超初心者が、BPM100前後の『ゆったりした8ビートを叩けるように考えられたもの』だったのではないのでしょうか?
しかし、慣性力を無視して、いつまでも『2分音符や4分音符のためのフットワークを重視して練習を続ける必要性』は一体どこにあるのでしょうか?

足裏とプレートの接触面積を極限まで減らし、フットボードと足裏の間に、いかにリバウンドを起こさせるかが、高速フットワークを行う上での、重要なポイントなのです!

Q.ペダルをコントロールするには、どんな靴が良いのですか?

A. 前述したように、ペダルの操作は、「踏む」というより「離す」事の連続になりますから、つつくときの「接触面積」をいかに減らせるかという事がポイントです。
写真(1)の靴を見て下さい。この靴のように「角やヘリの部分が角張っていて、つま先も真っ直ぐになっている靴」をK's MUSICはオススメします。 なぜなら、写真のようにヘリや角が角張っていなければ、結果的にフットボードとの接触面積が多くなり、ロスが多くなってしまうのです。 ですから、写真(2)のような靴では、靴底とフットボードの間でリバウンドを起こすのが、少々難しくなってしまいます。
また、この後説明する靭帯や腱を有効に使う為には、靴のサイズについても、注意が必要です。 通常の「歩行用の靴」のように、靴の中で足が前後左右に動いてしまうスペースを設けてしまうと、フットボードとのリバウンドの際に、「レスポンスの遅れ」を招いてしまいます。 ですので、普段より1~2センチ小さいサイズの靴を、是非一度試してみて下さい。 もしかしたら、ペダルのコントロールのしやすさに、ビックリしてしまうかもしれませんよ!(ただし、とても歩きづらいです!) 
『全体重が足にかかる歩行用の靴』と、『座った状態でペダルをコントロールするための靴』は全く別物と考えて下さいね! 実際、ある有名なプロドラマーの方がK's MUSICに入校されて、この事を知り、ツアー用の靴のサイズが、それまで26.5センチだったものが、2.5センチも小さい“24センチ”に変わってしまったのですよ!

とは言え、主宰の小野瀬も今回の動画では「普段歩く時に使っている革靴」で演奏しています。 コツさえつかんでしまえば、そこまで靴にこだわらなくても、ある程度演奏できてしまいます。

カドのある靴

カドの丸い靴

Q.内マタやガニマタにすると、真っ直ぐ踏めないのですが?

A.1998年2月発表の、ドラミングアドバイス第14回『円運動フットワーク』でも触れたのですが、人間の脚の骨は湾曲していますし、各関節も曲がってついています。(足モーラー奏法では、この湾曲を積極利用して、円運動を作っています。) ですから「真っ直ぐ踏む」という行為は、一見正しいように錯覚されがちですが、関節を圧迫してしまう、とても不自然な行為なのです。ですので踏み方もそうですが、イスの位置もおおいにフットワークには関係してくるのですよ!
また、超一流ドラマー達に、フットワークの際、脚が左右にブレて見えるドラマーが多いのも特徴的ですが、これは“股関節と足首を同方向に回転させているため”で、「腰内の内臓筋」と「足の裏の骨格筋」のコントロールがポイントになっているからなのです。(股関節や重心等は、今後のドラミングアドバイスで詳しく説明していきたいと思います!)



■STEP5 足首って?

 「スプリング・コントロール奏法」も「リバウンド・フットワーク奏法」も、足首の使い方がキーワードになってきます。 

ではその足首の構造について、もう一度見つめなおしてみましょう。 

足首部分の構造
人間の足首はこのように、「シーソー」のように動かせるようにできています。
宇宙人の足?
このような人間は絶対に存在しません!

 よく、「カカトを支点に足首を動かす」というセミナー記事も見かけますが、上の図のように、カカトには支点となる関節など、どこにも存在していません。
 ですからつま先が上がる時はカカトが下がり、カカトが上がる時はつま先が下がるという、一種のテコの原理になっているのを知っていましたか? これに気づかず、踏み込む際に無理してカカトを支点にしようとして、足が痛くなってしまった人も多いのではないでしょうか?

 つまり足首を動かす際、

44_asi4.jpg ←こうではなく 44_asi3.jpg ←このように動かせば、どこも痛くなったりせずに、
スムーズに足首は動いてくれるのです。

 また、その足首を動かす際、「スネやフクラハギの筋肉が必要」と思っている人が多いようですが、実はここで大事になるのが、足の裏の靭帯や腱なのです。
「靭帯や腱を使ってペダルなんて踏んだら、断裂しちゃうんじゃないか?」という誤解をしている人もいるそうですが、靭帯や腱ってものすごく強いって事を知ってましたか?

 以前のドラミングアドバイスと重複しますが、もう一度よ~く考えてみて下さい。

 我々人間は生活する上で常に歩いています。その歩くという動作を別の言葉でたとえると「自分の全体重が片方の足首にかかった時にその足首を伸ばす動作」とも表現できます。

 たとえば体重60キロの人が歩くとき、瞬間的に60キロ以上になる体の重さが片方の「足首」にかかっているのですが、特に重さや疲労を感じてはいないはずです。
ドラム演奏時におけるペダリングも同じく足首を伸ばす動作であるはずなのですが、わずか体重の何十分の一の重さしかないドラムペダル(フットボードの踏力は通常2~3キロしかありません)を踏むためにトレーニングをしたり、演奏時に疲労や痛みを感じるなんて、とても変な話ではないでしょうか?

 大変多くの方が「非日常的なフットワーク」、つまり人間として「日常的に使っていない足首の伸ばし方」になっているようです。
人間の通常歩行は主に足首まわりの「靱帯」や「腱」という「筋肉とは別の役割を持つ部分」を主に使って歩いているのです。
全体重がかかった足首を伸ばしても重さや疲労を感じないほど、靭帯や腱は“超力持ち”なのです!

 「歩く」「またぐ」などの「日常的で最も自然な足首の動作」をフットーワークに取り入れたものが「自然体奏法であり正しい奏法」なのではないでしょうか?

 ドラミングだけに必要な筋肉(非日常で使うための筋肉)をわざわざ鍛えるよりも、普段歩いているときの“日常的な動きの感覚”で演奏できたら大変楽ではないでしょうか? また、この方法は超一流ドラマーであるバディ・リッチやデイヴ・ウェックル,ヴィニー・カリウタなどに代表されるフットワークです。

※ここで言う「自然体奏法」とは、よく言われている「脚を持ち上げて落とすだけ」というものとは、根本的に違います。
 「脚を持ち上げて落とすだけ」と「言葉」で言われると、いかにも自然な感じを受けてしまいますが、その実態は「たった一曲の演奏で、数100回~1000回前後も、脚を持ち上げなさい」という筋肉エクササイズです。「モモ上げ100回!!」でも苦しいのに、一回のバンド練習で、1万回以上も脚を持ち上げなくてはならない奏法について、どう思いますか? 勘違いせずに読み進めて下さいね!

足首イラスト


足裏イラスト

一番最初の動画では、靭帯や腱を使い、足とプレートの接触面積を必要最小限にする事で、連打の最中という本当に短い時間の中で、可能な限りリバウンドを起こし、あのような高速プレイを行っているのです! もちろん、身体のどこかが痛くなったりなどという事も、全くありません。

■人体力学トリビア:「足の裏」が下半身と脚のスイッチ

 実際、足首や足裏まわりの靭帯や腱について、意識した事がない人も多いと思いますので、少し説明を加えておきます。

 それでは、まず立ってみて下さい。 その時、多少“足の裏”に力が入っているのを、誰でも確認できると思います。 次にその状態から、足の裏の力を完全に抜いてみて下さい。
いかがですか? 立った状態で足の裏から力を抜き去ると、フトモモやフクラハギ等の筋肉から力を抜いたつもりが無くても勝手に力が抜けて、いきなり、しゃがんでしまいませんか?(わかりづらい人は、立った時に、少し膝を曲げて、やってみて下さい)
  つまり、足の裏の靭帯や腱は、「足と脚全体を動かすスイッチ」の役割を持っているのですよ!! 

 今度は実際にドラムを演奏するつもりで、ドラムイスに座って下さい。 そしてさっきの様に、足の裏の力を完全に抜いてみて下さい。 どうでしょう? 今度は何も変化が起こらなかったのではないでしょうか? ですので、立っている時には誰でも使っている足の裏の靭帯や腱を、イスに座った途端に、「全く使わなくなってしまう人が非常に多い」のです。
  確かに、ただ座るだけなら、靭帯や腱を使う必要はありません。しかし私達ドラマーは、イスに座って常に足を動かさなければならないのですよ。それなのに、足裏のスイッチを「OFF」にしていまい、完全に座り込んでしまう人が非常に多いのです。 ですから、日本的フットワークを行うドラマーさん達は、スネやフクラハギやフトモモの筋肉を使わざるを得なくなっているのですよ!

 ドラマーは、ドラムイスに座った時には、立っている時のように、足の裏の靭帯や腱のスイッチを「ON」にしておく必要があるのです。 また、「足の裏の靭帯や腱」は「大腰筋、腸腰筋」等と繋がっていますので、ボディショットを行う際にも、まず足の裏の靭帯や腱を先に反応させなくては、「腰」も入れる事はできないのです。

 では、BPM220の『両足のダブルストローク』を、靭帯や腱で行っている動画をご覧下さい。

動画:足のダブルストローク
足のダブルストローク
★画像をクリックして下さい★
(MPEG-1 221Kbps 1.30MB)
動画がうまく見れない場合は…

 いかがですか? ちなみにこの方法は、バージル・ドナッティの行う足のダブルストロークの方法とは、根本的に異なっています。 バージル・ドナッティはスネ、フクラハギ、フトモモの筋肉などを中心にダブルストロークを行っていますが、K's MUSIC講師の喜納は、足首や足裏まわりの靭帯や腱、そして脚の股関節を有効に使う事で、足のダブルストロークを可能にしているのです。

<最後に>

 それでは最後に、もう一度すべての動画を見て分析し、実際にご自分でチャレンジしてみて下さい。


超高速フットワーク

手の指3本vs脚

日本的奏法と
スプリングコントロール

みかんとフットワーク

足のダブルストローク

 『スプリング・コントロール奏法』も『リバウンド・フットワーク奏法』も、小中学校の理科で考える事のできる人なら、誰もがその仕組みを理解できてしまうほど、簡単な理論です。 ですから、ここまでの内容が本当に理解できていたら、動画の分析ぐらいはできると思いますよ! ただ読むだけで、「できているつもり」や「わかっているつもり」になって終わってしまっていては、本当にもったいないですよ!(実際、K's MUSICの入校当初に、無意識でできていた生徒さんは、たくさんのプロの方々の入校者を含めても皆無に等しかったくらいですから・・・)

 今回の内容が、「足が速く踏めない!」 「バスドラのパワーが出せない!」 「足や腰が痛い!」 「バスドラで遠近感が出せない!」等、フットワークで悩んでいる人の役に立てたならK's MUSICとしても非常に嬉しく思います!

 何度も読んで、また動画も参考にして、ぜひご自分のプレイに取り入れていって下さいね!

今回はペダルと足周辺に「限定」して説明しましたが、足の靭帯や腱は、骨盤や股関節や大腰筋、重心と切り離して考えることはできません。 結果として「股関節や骨盤を使った足モーラー奏法へと発展」していくのです。 それは今後のドラミングアドバイスで詳しく解説していきたいと思いますので、どうぞご期待ください!

※最後に、注意点を挙げておきます

  1. 超高速フットワークを行うための『リバウンドフットワーク奏法』については、モーラー奏法の『肩の動き』を『股関節に置き換えている』ため、手腕のモーラー奏法ができていないとマスターできません。 ですので手腕のモーラー奏法を確実にマスターしてから、リバウンドフットワークの練習をするようにして下さい。

  2. 『スプリング・コントロール奏法』や『リバウンド・フットワーク奏法』を練習する際、必ず足裏や足首周辺の靭帯や腱を先に反応させるように心がけて下さい。 ただし、靭帯や腱にスイッチを入れたまま、日本的奏法のように、スネやフクラハギやフトモモの筋肉を中心に足と脚を動かしてしまうと、かなりの確率で筋肉痛や関節炎、もしくは腰痛になってしまいます。 ですので筋肉自体は極力、脱力した状態で練習するようにして下さい。 もしどこかが痛くなったりした場合は、靭帯や腱よりも先に筋肉を反応させてしまっている等の原因が考えられますので、すぐに練習をやめ、やり方を改めてください。 むやみに練習を行って、身体を壊したとしても、K's MUSICは一切責任を負いかねますので、ご了承下さい。

<K's MUSICから、ドラマーの皆さんへ>

皆さん人それぞれ「憧れのドラマー」がいると思いますが、
「自分には無理だ」とあきらめてしまっている人はいませんか?
ですが、彼ら超一流ドラマー達も、普通のアマチュアドラマーさん達も、

生理的限界に、差はありません。
彼らが特別なのは、超一流ドラマー達だけに共通する
身体の動かし方や、その動かす時に使っている部位、呼吸、
そしてスティックや、ペダル等の

コントロールの仕方が、一般ドラマーとは根本的に違っているからなのです。
スティックワークにしても、グルーヴにしても、
今回のフットワークにしても、繰り返しになりますが、
“生理的限界に差は無い”のですから、あきらめたりせずに、
彼ら超一流ドラマー達と同じ方法を試してみませんか?

K's MUSICドラム人間科学は、
そういった超一流ドラマー達だけに共通する法則の宝庫です!

43. ひずみトーン、クリ―ントーン、ゴーストトーンの「タッチ」

(2004/06/13アップ。16日修正改良)

今回のドラミングアドバイスを読み進める前に・・・

 今回は音の質についての内容になりますが、一旦この内容をやめにしようかと思ったほど、ウェブ上で伝えるのは困難な作業でした。
というのも、ミキサーを使ってマルチマイクで録音すると、「何かインチキをしているかもしれない」と疑念を抱く人もいるでしょうから(^-^; K's MUSIC HPの動画の「音」は、「皆さんがバンドの練習時に行っているのと同じ方法」で録っています。
そうして録った「決して良いとは言えない音」をHP上にアップするためには、さらに「音を約1/30にまで圧縮」しなければなりません。そうすると、今回の内容で非常に大事になる繊細な音などが、かなり削ぎ落とされてしまうのです。
ですので、今回の動画の音は雰囲気が伝わる程度なのを、あらかじめお断りしておきます。今回の内容の音をちゃんと伝えるには、「実際に目の前で実演する」か、しっかり録音したものを「CDにして聴いていただく」しか、方法はないのです。
ですが、多くのドラマーさんにとって非常に役に立つ内容なので、今回アップする運びとなりました。ぜひご自分で実践して、音楽表現に役立てて下さいね!

録音にいつも使用しているマイクも
↓こんな程度です!↓

マイク画像



 まずは、K's MUSIC主宰、小野瀬健資による動画をご覧下さい。

動画:JAZZバッキング
Jazzバッキングビデオ
★画像をクリックして下さい★
(MPEG-1 500Kbps 1.32MB)
動画がうまく見れない場合は…

よくある感じのジャズの演奏です。

この動画では、多少ダイナミクスをつけて演奏していますが、このようなダイナミクスをつけるには、振り上げの高さでアクセントをつける事が必要と思っていませんか? その思い込みから、日夜アクセント練習に励んでいる人も、多いのではないでしょうか?

しかし、小野瀬は「フィンガーコントロールを使って、ある事をすると、勝手にダイナミクスがついて、アクセントっぽく聴こえちゃうんだよ~!」と言っています。

一体、どういう事でしょうか!?

実は小野瀬は、この演奏の間、振り上げの高さではなく、
手の中で常に「ある事」をしてダイナミクスをつけていたのです。

今回は、音楽表現のための「第一歩」となる「タッチ」についてです。

※今回は、プロや、上級者のドラマーさんには大変有効な情報となっていますが、「経験」や「歴」の浅い初・中級のドラマーさんには理解しにくい内容かもしれません。しかし、ドラマーのみならず、すべての楽器プレイヤーにとって非常にタメになる内容となっていますので、今後の上達のためにも是非読んでみて下さいね!



<はじめに>
 日本で定説となっている「アクセント理論」は、みなさんよくご存知だと思います。 フルストローク、ダウンストロークetc.・・・という風にネーミングされ、振り上げの高さで音に強弱をつけるという練習法です。

 ですがこの練習法には大きな落とし穴があるのを、みなさんは気付いていますか?
 ドラムはアコースティック楽器ですから、ちょっとした変化で音が変わる、とてもデリケートなものです。 それを音の強弱だけで解決してしまうと、自分のドラミングの幅をとても狭い物にしてしまうのです。

 音量以外にもアクセント時の「音の質」、弱く叩く時の「音の質」をコントロールできればできるほど、自分の音楽表現の幅がグーンと広がるのですよ!

 「そんなの当たり前だよ!」と思った人ほど、じっくり読んでみて下さいね!
今回のドラミングアドバイスは、日本のトップドラマーでさえ、わずか数人しか使える人がいない音楽表現の方法です!


「衝撃の新事実!」

誰もが今までアクセントだと信じてきたものは、実はスティックの剛性コントロールだったのです。
高さ=パワー、 スピード=パワーという、一見もっとも合理的と思える理論の裏に隠された
究極の盲点にせまります!


■STEP1 グリップ

 「グリップでタッチが変わるので、サウンドも変わる」と多くのドラマーが言いますが、なぜサウンドが変わるのかをきちんと理解していますか? もしくは理解していたとしても、それを曲中で「常に変える」という発想がありますか?(1拍の中でさえ変える事は可能です。)

 グリップでタッチが変わるのは、スティックと指の接触面積が変わるからなのですよ!

打面ヒットの瞬間に、スティックに触れている「指の接触面積」を多くすると、スティック自体の剛性が上がるため、アタックの立ち上がりが鋭くなって音が締まり、ピッチも高い音になります。 逆に「接触面積」を少なくするほど、スティック剛性が下がるため、音の立ち上がりが鈍くなり、ピッチも低くなります。

 これは1998年5月掲載の、「ひと言レッスン第16回」で説明した内容ですが、これを読んで実際に試して頂けたでしょうか?

 実はジェフ・ポーカロの、ドワンドワン(ドロンドロン?)した遠近感のあるタムのフィルインや、ハイハット、ライドシンバル等での遠近感あふれる表現は、「アクセント理論」で片付けられるものではないのです。 あの独特な遠近感ある表現のほとんどは、スティックの「剛性コントロール」によるものなのですよ!

 またピーター・アースキンの一種あぶない感じの、緊張感あふれるドラミングも、アクセントと言うより、「スティック剛性コントロール」あってのものなのです。 フィリー・ジョー・ジョーンズや、全盛期のトニー・ウィリアムス、シェリー・マンの演奏ニュアンス表現も、日本国内のアクセント理論を使ったものではなく、「スティックの剛性コントロール」による所が大きいのです。

 彼らは単に叩く強さだけではなく、「スティックの剛性」までもコントロールすることで、あの遠近感のある(ウネリのある)ダイナミクスを可能としているのです!

 ですから、彼らのような超一流ドラマー達の、ウネリある表現力豊かなダイナミクスコントロールは、エレドラ等では絶対再現できないのです。

※ちなみに、デイヴ・ウェックルも「スティックが振動することによってドラムが振動する」と、自身の教則ビデオの中で言っています。

■STEP2 剛性別の音色の特徴

低剛性
43_a1.jpg 43_a2.jpg 43_d1.jpg 43_d2.jpg
スティックに青い絵の具を塗って接触面が分かりやすいようにしてあります。
難易度
レベル

10
■アクセント
●スティックと手指の接触面積が、限りなくゼロに近い状態でアクセントをつけるには、手からスティックを「勢い良くはじき投げる(?)」事が必要不可欠。
●その結果、極端に速いスティックスピードが、打面との接触時間を短くするので、「バーン」 「ドーン」とサスティーンの効いた、破裂音的なアクセント音が得られる。
●この低剛性アクセントから、どのタップに移行するにも、「フリーグリップ」ができていないと物理的に不可能。
●スティック自体の振動を妨げないため、スティックのバイブレーション(振動)が、ヒット後もしばらく残っているのも特徴的。
難易度
レベル

■タップ
●打面に当てる瞬間に、スティックと手指の接触面積を、限りなくゼロに近づけるのが理想。
●スピードはあまり必要ないので、「叩く」というより「リバウンドしたボールを拾う」ような感覚。
●この低剛性タップから、高剛性アクセントへ移行する場合は、けしてアクセントのためにスティックを振り上げない。
●これもスティック自体の振動を妨げないため、スティックのバイブレーション(振動)が指に伝わる。

普通剛性
43_b1.jpg 43_b2.jpg 43_e1.jpg 43_e2.jpg
スティックに青い絵の具を塗って接触面が分かりやすいようにしてあります。
難易度
レベル

■アクセント
●しっかりとした支点によるリバウンドなど、国内のドラム教本などに記してある通り。
●音色的には、いかにも“正しい音”という感じで、チップとヘッドの接触時間もごく普通。
●「ドーン」、「ターン」 という、楽器が本来持っている素直なピッチ感と響きを得やすい。
難易度
レベル

■タップ
●これの叩き方も、国内の教本通りでOK。
●音的には、「タカタカ」、「トコトコ」という感じで、ヘッドの音が素直に出る。

高剛性
43_c1.jpg 43_c2.jpg 43_f1.jpg 43_f2.jpg
スティックに青い絵の具を塗って接触面が分かりやすいようにしてあります。
難易度
レベル

■アクセント
●叩くと同時にスティックを握るというより「叩く前にしっかり握って、叩いた瞬間には、もう手がゆるんでいる」のが基本。
●ヘッドを凹ませるつもり(実際には、ヒット時には指がゆるんでいるので凹みませんが…)で、ヘッドの膜振動にゆがみを生じさせる。
●打面とチップの接触時間が、多少長めになるため「ドン」「バン」と衝撃音的に響く。
●極端に超高剛性にすると、ヘッドの膜振動にゆがみが多く生じるため、音がひずむ。
難易度
レベル

■タップ
●これも叩くと同時にスティックを握るのではなく、叩く前にしっかり握っておくのが重要!
●叩くというより、「つつく感じ」に近い。
●握っているのでリバウンドはしないが、非常に弱いタッチなので、手指が痛くなるということはない。
●この高剛性タップから低剛性アクセントに移行するのが一番難しく、「フリーグリップ」ができていないと物理的に不可能。


■STEP3 剛性のコントロールをするための第一歩

 またまたそんなこと言っても、「いちいち一打ごとにグリップを変えて演奏なんてできるかー!?」と、思ってしまった方も多いのではないしょうか?

 よく、人それぞれ手の形や大きさも違うから、「自分にあったグリップを見つけよう!」などと言われているため、「自分のグリップはこれだ。」と、グリップをたった一つの形に、決めてしまっている人も多いかもしれません。

 そういったドラマーにとって、剛性コントロールを行うのは、確かに至難の技になるでしょう。
 (ジム・チェイピン氏も、教則ビデオの中で、「グリップを一つに決めるのはおかしい!」と言い、使用用途に応じた、多種多様なグリップを、たくさん紹介しています。あのビデオでの中でも、「要注目!」と言える部分ではないでしょうか?)

 そこで、どうしても必要なテクニックがあります。 それは、フリーグリップシステムです。

 なぜなら、フリーグリップシステムができないと、スティックの剛性そのものを低くすることができないばかりか、スティック剛性を瞬時に変化させる事も、物理的に不可能になるからです。

 またフリーグリップシステムは、モーラー奏法やフレディグルーバ―・システムができないと、実演奏には使用できません。 ですので、実はそれらの奏法ができないと、剛性コントロールそのものが出来ない
のです。

 日本的奏法でグリップだけを変化させて剛性コントロールを行なおうとしても、ほとんど「音」には反映されません。ですから、日本的奏法のままでも「剛性コントロールが出来る」なんて勘違いはしないようにして下さいね。

 スティック剛性のコントロールも、身体と切り離して考える事は不可能なのです。グリップだけ真似しても実演奏に生かせる日はやってこないので、ぜひとも身体と併せて練習を行って下さいね。

 ドラムを始めたばかりの、「超初心者」は誰もが「高剛性」です。 しかし、練習を繰り返したり、ドラムスクールで習ったりしていくうちにどうしても、一番安易な普通剛性に落ち着いてしまうドラマーばかりが目立ちます。 普通剛性は、とても簡単でマスターもしやすいので、あえて普通剛性での練習は必要ないのではないでしょうか?


■STEP4 実際の組み合わせ、その特徴と代表的なドラマー

 この表はあくまで目安で、実際には音量も剛性も、もっと微妙な範囲で変化します。 音量を「大」「小」だけとか、剛性を「高」「普通」「低」という風に荒っぽく区切ってしまえるほど、単純ではないのですが、読む人にわかりやすいように、あえてこのような表にしました。

イントネーション(アクセント)
高スティック剛性 普通スティック剛性 低スティック剛性













●最強の組み合わせ。 イメージ的には、なぜか初心者なのに超パワーがあって、超テクもあわせ持ったパンクドラマー(?)、もしくはバディ・リッチ
●「ドン!」「カン!」「ズン!」と鳴り響くアクセントのあとに、ピッチ感の強いタップ音が続く

バディ・リッチ(solo中)
ジーン・クルーパ
デニス・チェンバース(solo中)

●現在、日本のドラムスクール界で、最も正しいとか、音楽的だとされているのが、この組み合わせ。  その影響か(?)、日本のドラマーに最も多く見られる

●タップもアクセントも、音が全く乱れない。 いくらアクセントを付けても、ロック、ポップスではマスキングに弱いため、遠近感が出せない。 また、ジャズでは、カチカチし過ぎて、ジャズではなくなる(?)

●何のマスキングもない、スタジオ等での個人練習時には、とても良いサウンドと錯覚しやすい

●最も簡単な解決策は、アクセントをスティックを握り締めて力で叩けば良いが、体力が持たない。 または手の皮が剥けてしまうかも?

ラリー・フィン
ビル・ブラッフォード(最近)

●この組み合わせは物理的に難しいせいか、ハイテクニックなプレイではあまり使用されない
●サウンド的には、「パーン!」、「ドーン!」、「バーン!」と、サスティーンの効いた破裂音的なアクセント音の合間に、ピッチ感の強いタップ音が続く

バディ・リッチ(曲中)
スティーヴ・ガッド
エルビン・ジョーンズ(昔)








●軸輪のある、ハッキリした音と、ドライブ感もあわせ持つ、近代ドラミングのお手本のようなサウンド
●「ドン!」「カン!」「ズン!」というキレの良い音の中に、キレイなタップ音が続く

スティーヴ・スミス
ヴィニー・カリウタ
デイヴ・ウェックル(奏法改革前)

●最近のウェックルに代表されるのが、この組み合わせ。 音はナチュラルで明るく、開放感がある
●アクセント音の「パーン」「ドーン」というサスティーンの中に、キレイなタップ音が続く

デイヴ・ウェックル(現在)
ジョー・モレロ







●最も遠近感あふれる組み合わせ。「ドン!」「カン!」「ズン!」と鳴り響くアクセントの間に、フワフワしたピッチ感の少ない、優しい音が続く
●この組み合わせの場合、フル、アップ、タップ、ダウンの理論は全く適用外! 剛性を強くするために、指の接触面積を多くするだけで、自然にアクセントとなるため、振り幅がアクセントとタップでほとんど変わらない
●タムフィルインの際に、デニス・チェンバースや、ジェフ・ポーカロが、「スティックの高さがほとんど変わらないのに、アクセントがついている」と、不思議に思った事がありませんか?

デニス・チェンバース(曲中)
ハービー・メイソン(現在)
ジェフ・ポーカロ(タムフィルイン時)

●音にインパクトがある組み合わせではないので、メインでは音楽的に少々使いにくいが、アクセント(高)→弱音(普)のドラマーがmpで演奏する時や、パワーを下げてジャズなどのプレイをする時に使われる
●どんなにアクセントを入れても、「タン」「トン」した音になってしまうので、インパクトが得にくい
●メイン使用は、マービン・S・スミスくらいか!?


マービン・S・スミス

●一種独特なスピード感あるプレイになったり、スリリングな、アブナイ感じのグルーヴになる組み合わせ
●この組み合わせの場合も、フル、アップ、タップ、ダウンのストローク理論が、全く適用外になるのも特徴的
●50年代~60年代のジャズドラマーに最も多く見られた
●ジェフ・ポーカロは、ハイハット、ライド系のプレイにこれを用い、フィルになるとアクセント(高)→弱音(低)へと、使い分けが目立っていた

ピーター・アースキン
ジェフ・ポーカロ(H.H ライド)
トニー・ウイリアムス(マイルス時代)
ハービー・メイソン(70年代)
フィリー・ジョー・ジョーンズ


日本的奏法は、表の 茶色の部分 しか使う事ができない奏法なのですよ!


ドラマー別剛性表

 ボクサーが「速くて突き刺さるようなパンチ」と、「重くのしかかってくるようなパンチ」を使い分けて、対戦相手を翻弄するように、超一流ドラマーもスティック剛性コントロールによって、聴き手の耳を翻弄しているのです!


■STEP5 スティックの音と振動

 実際に指の接触面積で剛性をコントロールする事で、どのくらいスティックの音が変わるのかを、次の動画で確認して下さい。

動画:練習台で剛性
練習台で剛性
★画像をクリックして下さい★
(MPEG-1 500Kbps 1.69MB)
動画がうまく見れない場合は…
譜面

Q.その音って、練習台を叩いてるんだから、練習台が鳴ってるんじゃないの?

A.もちろん練習台を叩いているわけですから、練習台の音も少し出ています。 しかしこの動画では、なるべくスティックの音が目立つように「重量のある集積材の上に、ゴムパッドを貼り付けた練習台」を使っています。 そのため、重量の軽いスティックの方が強く発音しています。
本当は木製の練習台よりも、コンクリートや平らな石の上にゴムパッドを敷いて叩く方が、スティックの鳴りをより目立たせることが出来るんですよ!

 いかがですか? スティック剛性をコントロールする事で、かなり出音が変わるのをご確認いただけたと思います。

 これだけスティックの出音が変わるという事は、一つのスティックで、「何種類ものスティックを使い分けているのと、同じ効果」がある事に気付いて頂けたでしょうか? こんなに出音が変わっているのに、スティックの振り上げの高さがほとんど変わらなかったりするので、違和感を覚えた人も多いかもしれません。

 これを、入校された生徒さんの目の前で行っても、「何かスティックに仕掛けがありませんか?」と言われてしまいます。ですので、生徒さんのスティックで、この実演を行うようにしているんですよ! どのスティックでも同じように、剛性で音色を変えることは可能なのです。(ただし音の質や変化の幅は、スティックの材質や形状によって異なります。)

 この動画の一番最後に行っている方法は、ヴィニー・カリウタがよく行う方法です。 ニール・ソーセン氏(フレディ・グルーバーに30年師事している愛弟子)がK's MUSICに来訪した際、この方法について聞いたところ、「フレディがヴィニーに教えた方法だ!」とニール・ソーセン氏は言っていました。

 ヴィニー・カリウタも「意図的」に、スティック剛性をコントロールしているのですよ!

※正確なリズムを養うという名目で、「練習台を叩く時、メトロノームに合わせて叩いて、その音を消す」という練習を多くのドラマーが行っていますが、音の立ち上がりの問題から、どうしても「やや高めの普通剛性」になってしまう練習法だということに気付いていますか?(低剛性では、叩いてからやや遅れて音が立ち上がるため、ピッタリ合ってもメトロノームの音は消えません。)


◆上の動画で使っている練習台について… (2004/07/05 追加)

最近、『ドラミング無料相談』に「いったい、どういう練習台を使ったら、あんな音が出るのですか?」という質問を多く頂きます。

「集積材を使った…」等と書いたためか、上の動画で使っている練習台が「非常に特別なもの」で、「特別な練習台でないと、あのようなスティックの音の違いは出ない」という誤解を招いてしまったようです。

最近入校された生徒さんから「え!この練習台だったんですか!?」と言われることも多いのですが、スティック剛性による音の違いは、リアルフィール等の、どのような練習台でも出ます。

上の動画で使用している練習台には、タネもシカケもありませんよ!(笑)

この練習台を…動画では、このようにして使ってます!
43_pad1.jpg
練習台のオモテ側
43_pad2.jpg
練習台のウラ側
43_pad3.jpg
(DWの16インチ・フロアタムの上に載せてます)

■STEP6 実際のバンド演奏で使えるの?

 そんなこと言っても、ギター、ベース、キーボード等の音にマスキングされてしまう、実際のバンド演奏では、「そんなビミョーな違いが出るわけない!」と思い込んでいる人も、多いのではないでしょうか?

 しかし、それはまったく逆なのですよ!
マスキングが大きくなればなるほど、他楽器の色々な周波数が混じるので、逆にその差が明確になってくるのです。

 また、ドラム練習室より、大ホールになればなるほど、剛性の差が明確になり、実演奏に生きてきます。 逆に、せまいスタジオで何のマスキングもない「ドラムだけの状態」では、普通剛性にした方が良い音に聴こえてしまうので、注意が必要です。

 現在の日本のドラム教育界で「音楽的」とされているタッチは、せまい練習スタジオ等では上手に聴こえるのに、音が響く大きなホールや、他の楽器音に大きくマスキングされてしまう、実際のライブやレコーディング等の現場になった途端に、「とても線の細いサウンド」になり、まったく通用しなくなってしまいます。 その理由は、彼らの言う、「良い音」、「音楽的な音」の基準が、通常の演奏の状態とは遠くかけ離れている、「シーンと静まりかえった狭いスタジオ」で追求、研究されたものだからではないでしょうか?
 これはドラムに限らず、ギターや鍵盤、管楽器のレッスンプロにおいても、まったく同様の人達が多いと思います。 レッスンプロ同士が集まって、バンドを結成することが多いのも、彼らの音に対する考えや、価値観が近い所以でしょう。

Q.「マスキング」って何?

A.簡単に言えば、1つの音が、他の音によって聴こえにくくなるマスク効果のことをいいます。 実際の演奏では、ドラム単体だけで演奏することはほとんどないので、常にギターや、ベース、キーボードetc,の音にマスキングされた状態になります。 タッチもそうですが、チューニングや楽器選びも、「マスキングされた状態で判断するべき」だと、K's MUSICでは考えております。 静まりかえった狭いスタジオの中で、ドラムだけで「良い音」を追求してしまい、バンド演奏になったとたんに「何の存在感もない音」にならないように、気をつけて下さいね!

 ではここで、「実際にマスキングされた状態」での、シンバルレガートの動画をご覧下さい。

動画:4ビート剛性

★画像をクリックして下さい★
(MPEG-1 500Kbps 1.28MB)
動画がうまく見れない場合は…

 いかがでしょうか? 冒頭で述べた通り、この音は、わずか「数千円のマイクで録音」し、それをさらに「1/30まで圧縮した音」です。

 それを音楽を聴くにはとても適していない「パソコン用スピーカーから聴く」という「かなりの悪条件」にもかかわらず、その違いを分かって頂けたことと思います。(もしどうしても分からなかった場合は、もう少し良質のスピーカーに買い替えるか、パソコンのOUTから、オーディオに繋いでみて下さいね!)

 練習熱心なドラマーほど、耳が「フレーズ」を聴く方にいってしまって、「音色」が本当の意味での興味の対象になりにくい、という傾向があるようですので、特に注意して下さいネ!!
 音色の面白さや、重要性の本当の意味を感じられると、名演と言われる演奏も、もっと掘り下げて聴くことができますよ!

■STEP7 「ひずみ音」てダメな音なの!?

通常のドラム奏法の常識では考えられない、あり得ないことですが、超一流ドラマー達の音楽表現の多くは、その常識の外から生まれています!

 みなさんは、「超初心者が力任せに叩いた」ような、「ひずんで潰れてしまったタッチ」をどう思いますか? このようなタッチは、一般的に「汚い」、「うるさい」、というイメージがつきまとうせいか、音楽的に使ってはいけないと考える人も多いようです。 しかし、K's MUSICは声を大にして言います!

ひずみ音を積極的に使ってこそ、本当の音楽表現だ!と・・・

 アマチュアドラマーの多くや、駆け出しのプロドラマーでさえ、雑誌記事等のメディアの影響からか、「タッチはキレイでなくてはいけない」、という先入観を植え付けられてしまっている様です。ましてや、「ひずんで潰れたタッチ」など、言語道断と思っている人も多いのではないでしょうか?

 しかし超一流ドラマー達の音楽表現には、ひずみ音が欠かせないのを知っていましたか?

 超一流ドラマー達は、「ひずんで潰れたタッチ」を、音楽表現のために使いまくっているのですよ!!

 デニス・チェンバースや、ヴィニー・カリウタの生演奏を聴きに行ってみて下さい。 瞬間的すぎてわかりづらいかも知れませんが、雑誌記事やメディア等で言われている、「キレイなタッチ」という先入観を持たずに、よーく聴けば、ひずんで潰れているタッチの多さに、ビックリしてしまうと思いますよ!

 確かに、ひずんでいる一音だけを取り出して聴いてみると、到底、音楽的に使えるようには思えません。
しかし、普通剛性のようなクリーントーンを、「タンタンタンタン」と聴かせたあとに一発、高剛性や低剛性によるアクセントを使って、「ーン!」とか「!」と叩くと、人間の耳(正確には「脳」ですが)は錯覚を起こして、その「キレイなクリーントーンのまま、突然大きくなった」と感じてしまうのです。

 つまり、タンタンタンタンーンと同じ音でアクセントが入るより、タンタンタンタンーン」とか、タンタンタンタン」など、違うアタック音でアクセントが響いた方が、より効果的に聴き手に訴えかけるのです!

 超初心者は、やみくもに叩くせいで、効果的に使えていないというだけで、その「ひずんで潰れたタッチ」自体が悪いというわけでは、決してないのです。叩き方も、超初心者はやみくもですが、フリーグリップさえ使えれば、どこも痛くなったりはしないのですよ!

 また、なぜドラムの音がひずむのかを、みなさんは知っていましたか?

 当然のことですが、タイコにはヘッドが張ってあります。ヘッドが振動するのは、叩く事によって膜振動が起こるからです。その膜振動を起こすための入力の際(ヒットの際)には、必ずヘッドに「ゆがみ現象」が起こります。
ですので、ヒットの際には、ヘッドはゆがんで波をうってから、通常の膜振動に戻っているのですよ!
 高剛性のアクセントでは、「スティックの硬さによるヘッドの耐入力オーバー」、低剛性のアクセントでは、「スティックの落下スピードによるヘッドの耐入力オーバー」が起こるため、この「ゆがみ」が極端に大きくなるのです。
そうすることで、ドラムから、ひずんだ音を引き出せるのです!

 つまり、高剛性と低剛性のアクセントは、「通常よりも非線形倍音に近い波形」を、ドラムのアタック音により多く与えることで、瞬間的に「マスキング中で際立って遠鳴りする音」を発生させる奏法なのです。

 スネアドラムが、他のタムなどに比べて、バンドの中で音ぬけが良いのも、「ひずんだ音やノイズ成分」がスナッピーによって多く作られているからなのですよ!


◆ひずみで彩りを加えよう!◆

クリーントーンである普通剛性は、確かに「一番正しい音」かもしれません。 ですがよーく考えてみて下さい。 それは声に例えてみれば、「NHKニュースの声」と言えるでしょう。 しかし、その声と発音でもし「俳優がセリフ」を言ったとしたら、果たして人々を感動に誘うことができるでしょうか?
 「NHKのニュースアナウンサー」の声や発音は、日本語として一番正しい事は明らかです。しかし、その声で感動できる人は、ニュースアナウンサーを目指し、その声が一番素晴らしいという価値観を、「教育によって植え付けられた人々」以外にはいない、と言えるのではないでしょうか?

 これと全く同様にして、レッスンプロやその生徒さん達は、「普通剛性のクリーントーンこそが一番正しい音」と、信じて譲れない人も多い事でしょう。なぜなら「クリーントーンだけが正しい音」という価値観を、レッスンで植付け、そして植え付けられてしまっているからです。
 ですが、それを声で例えるなら、前述の「NHKのニュースアナウンサーの声」のようなものです。 しかし人々を感動に誘う、表現力豊かな名俳優や、声優達の声は、その正しい声(クリーントーン)だけでは決して成立しないのです。 クリーントーン以外に「汚く歪んだ声」や「小さくささやく声」を瞬間、瞬間で使い分けて、人々の感動を呼んでいます。

 それは音楽においても全く同じです。 「汚く歪んだ音」や「聞き取りづらい小さい音」の中に、「正しい音」を混ぜるからこそ、よりその音を生かす事ができるのです。 超一流と呼ばれるドラマー達は、日本のドラム教育界では、「絶対やってはいけないとされているタッチ」を瞬間、瞬間に使いまくる事で、表現力豊かな演奏を可能にしているのですよ! 一見、音楽的ではないと思われがちなタッチをいかに使うかが、本当の意味での音楽性なのではないでしょうか? 実際それを行うことで、ジェフ・ポーカロやピーター・アースキン、バディ・リッチなどのドラマーは、人々の賞賛を浴びています。

 もちろんこれは、ドラムに限った話ではありません。 一見クリーントーンに聴こえるリー・リトナーやパット・メセニー、ウェス・モンゴメリー等の、ジャズギタリストの音も、本当はひずんでいるのを知っていましたか? 彼らはアンプの設定や、オーバードライブ等のエフェクターで、ほんのわずかに、ひずませた音作りをしているのですよ! 一見クリーントーンに聴こえますが、ひずみをわずかに加える事で、倍音を豊かにし、ホールを包み込むような、甘いサウンドを奏でているのです。(この事に気付かずに、バンドの中で本当のクリーントーンを出して、音がペケペケしてしまっている、アマチュアのジャズギタリストを時折見かけますが・・・)
 他にもジャズピアノのハービー・ハンコックや、デイブ・ブルーベックの音、管楽器のマイルスやコルトレーン、果てにはクラシックピアノの巨匠のホロビッツまで、よく聴き込めば、普通の奏者よりも、ひずんだ音を要所、要所でより多く使っている事を、確認できるはずですよ!

 最近のプロのレコーディングでは、ボーカルの声に、なんと「ギター用のディストーション」をほんの少しかけて「歌声に迫力を加える」、なんて手法も平気で行われています。 そうとは知らず、皆さんの中には、そんな歌声を聴いて、「なんて迫力ある歌声だ!」なんて感動したりしている人も、多いはずですよ!

 日常においてもそうです。どの国のどんな人でも、「楽しい時」や、「悲しい時」、「喜んだ時」、「怒った時」には、「男も女」も、「大人も子供」も、よく聴けば、「普通より声がひずんでいる」のですよ! また、小さな声での会話で、「大きな声」を表現しようとした時にも、無意識に声をひずませて表現していませんか? そんな会話を、うるさい電車の中でしている人達がいた時、そのひずんだ声だけが、ハッキリ聴こえてきたりするのは、先にも述べた通り、ひずんだ倍音のある音は、「マスキングをかきわける力」が、強いからです。
他にも例を挙げればキリがありません。
「NHKニュースの声」の様な正しい日本語ばかりでは、「感情表現が成立しない」のと同様に、音楽でもキレイな正しい音ばかりでは、「音楽表現が成立しない」のです!



■STEP8 不安定音(ゴーストトーン)も積極的に使おう!

 ひずみのある高剛性、低剛性のアクセントトーンと対照的なのが、低剛性を使った「不安定音(ゴーストトーン)」です。 スネアドラムを叩けば「ササササ」、タムなら「モモモモ」、という感じで、これだけではやはり音楽的に使えませんし、どんなに良い楽器を使っても、その意味がありません。

 しかし、アタック音がほとんど無い「不安定音」は、本当に良くない音なのでしょうか? 実はピーター・アースキン、トニー・ウイリアムス(マイルス時代)、フィリー・ジョー・ジョーンズ等、彼らのドラミングを完全コピーして演奏してみても、まったく違ってしまうのは、「不安定音」のタッチが出来ていないためなのですよ!!

 また不安定音は、バンド演奏のマスキングの中では、叩いた瞬間に音が出るのではなく、マスキング効果によって、叩いてから「やや遅れて音が立ち上がる」のです。 ですので正確に言ってしまえば、「リズムが不正確に聴こえるはず」ですが、実際には聴き手側にリズムが狂って聴こえません。

 その理由は「マスキングによって、音が滑らかに立ちあがるため」、聴き手側が最も気持ち良く聴こえる位置に、リズムを感じとってしまうからです。 結果、よほどリズムが狂ってしまわない限り、「気持ち良いグルーヴ」に聴こえてしまうのです。

 一流の役者の小声の台詞は、日本語にまだ慣れていない外国人はあまり聞き取ることができませんが、日本語に慣れた日本人は、その台詞に感動します。
 ゴーストトーンを使わない演奏は、日本語にまだあまり慣れていない「中国人や韓国人」の日本語発音と同じではないでしょうか?

 不安定音は、音楽の中でまさしく、役者の小声と同じ役割を受け持っているのです。

岩瀬立飛さんに脱帽!

by K's MUSIC 主宰 小野瀬 健資

岩瀬立飛さんのグリップを見た事がありますか? カンのいい方なら、あのグリップに「何か意図的なもの」を感じた人も、多いのではないでしょうか? タッピさんは写真のように、指でワッカを作って、その中にスティックを差し込み、1~2発叩くごとに、手の中でわずかにスティックを持ち直します。 そうする事で、低剛性にし、あの優しいタッチを可能にしているのです。 正直「その手があったかー!」と最初に見た時は驚きました! 日本のドラマーで剛性を操れるドラマーを見たのは、私の知る限り山木さん、ポンタさん以外では、タッピさんが初めてでした。
ただしこのワッカを作る方法は、スティック剛性の持ち替えがかなり難しくなりますので、高剛性を使いたい場合はあまり効果的ではないかもしれません。 ですがタッピさんのように高剛性を使わない、小さめの音量のジャズをやるには、とても効果的な方法です!
これはあとから知った話ですが、タッピさんはピーター・アースキンについていた事があると聞きました。 もしかしたら、彼に「アクセントじゃなくて、スティックの剛性なんだよ!」みたいなヒントをもらって、独自に考えぬいた結果、あの独特なグリップができあがったのではないかと思っています。 ピーター・アースキンは、持ち替える際にロスの少ない「フリーグリップ」を使用するため、もっと普通の(?)グリップに見えますが、物理的にはタッピさんと、ほとんど同じになっているからです。

岩瀬立飛さんは、ピアノやベースのフレーズよりも、「歌い方」に敏感に反応する、素晴らしい音楽性を持ち合わせたドラマーさんです。 そのタッピさんの頭の中のイメージを具現化する、大きな武器の一つが、「岩瀬立飛さんオリジナル」のスティック低剛性だと、私は思っています。

立飛さんのグリップ

こうではない


■STEP9 実際の演奏の具体例

 では実際に、剛性をコントロールしている動画をご覧下さい。 ここで行っている動画は、次の譜面のように剛性をコントロールしています。 リズムを叩いている時のライドシンバルの音も、注意して聴いてみて下さい。

動画:ロックビート
ロックで剛性コントロール
★画像をクリックして下さい★
(MPEG-1 500Kbps 1.59MB)
動画がうまく見れない場合は…

 スティックの太さを変えると、音も違うと感じている人は多いと思います。 剛性コントロールを使えば、たった一種類のスティックでも、何種類ものスティックを持ち替えながら演奏するのと同じ、いや、それ以上の効果が得られるのです!

 つまり、ひずみアクセント用に直径が17ミリのスティック、普通のクリーントーン用に14ミリ、弱音のゴーストトーン用に、10ミリのスティックを、瞬間、瞬間に使い分ける以上のものがありますよ!

ただし、スティック選びの際に、叩きやすさを優先していいという意味ではありません。 前述の通り、どのスティックでも剛性を使う事により、音色をコントロールすることはできますが、やはりスティックごとに、音の質は異なってきます。
  ドラマーは、音よりも叩きやすさでスティックを選ぶ人が、なぜか多いようです。 例えばプロギタリストの場合、「弾きやすさより」も「音」でピックを選ぶことが目立ちます。 ドラマーもそれを見習って、「音」でスティックを選んでみてはいかがでしょうか? きっと世界が広がると思いますよ! シンバルだけでなく、スネアもタムも、スティックで音が変わってしまうんですから!

 ドラムという楽器は普通に叩けば、クリーントーンしか出ないように作られています。 逆に言えば、どんなに、ひずみトーンやゴーストトーンだけを使って演奏しようとしても、クリーントーンが必ずどこかで入ってしまいます。 ですから、クリーントーンの練習は必要ないのではないでしょうか?

<One Point Advice>

この動画の前半部分のように、フル、ダウン、タップ、アップの理論に当てはまる多くの日本人ドラマーの分析、コピーは、みなさん簡単に行えると思います。 ですが、ジェフ・ポーカロやデニス・チェンバース、デイブ・ウェックル等、超一流のドラマー達をコピーしようとした時、フル、ダウン、タップ、アップに当てはまっていない事が多いため、コピーしても全然違ったニュアンスになってしまった経験はありませんか?
彼らは、「タップストロークの連続なのに、様々なアクセント」がついていたり、「ダウンストロークなのに弱音」だったり、「アップストロークの際、アクセントだらけ」だったり、等々、フレディ・グルーバーシステムや、フリーグリップシステム、そしてスティックの「剛性コントロール」を実践できないと、ニュアンスをコピーできないドラマー達なのです。
この動画では、小野瀬が「あえてわかりやすく実演」していますので、それをヒントにして、もう一度チャレンジしてみて下さいね!



■STEP10 まとめ

 それではここで、冒頭で紹介した「小野瀬のジャズ演奏の動画」をもう一度ご覧下さい。

動画:JAZZバッキング
Jazzバッキングビデオ
★画像をクリックして下さい★
(MPEG-1 500Kbps 1.32MB)
動画がうまく見れない場合は…

この動画をよく見て、STEP 9の要領で、「剛性コントロール」を自分なりに分析してみて下さい。 わかりやすいように、わざと極端に色々な剛性を織りまぜてありますので、ここまでのことが本当に理解できたなら、分析ぐらいはできると思いますよ!

剛性コントロールと、そのメカニズムを理解しないで、ただグリップで「音が変わるらしい…」と取り組んでみても、実演奏には、ほんの少ししか生かせません。 ぜひ自分で何度も動画を見て研究し、実践してみてくださいね!


 ※最後に、これから「スティック剛性コントロール」にトライしようという方のために、注意点を挙げておきます。
  • 必ず“支点移動グリップ”である「フリーグリップ」をマスターしたあとに、剛性コントロールの練習を行って下さい。なぜなら、日本的奏法に見られる「一箇所に支点を作って握る」という動作を行った時点で、物理的にどうしても「普通剛性」にしかなりえないからです。
    日本的奏法のままで、「剛性のコントロールをやっている」と思い込んでいるドラマーも多いようですが、「クリーントーンである普通剛性にしかなり得ない奏法」の中で、いくら剛性コントロールを行っても、ドラムから「不安定音」や「ひずみ音」は引き出せません。
    超一流ドラマー達が行なっている剛性コントロールは、「不安定音」や「ひずみ音」を音楽表現のために積極利用するというものですから、まったく次元が異なります。

  • スティック剛性コントロールの練習は、スタジオのPA等を使って、必ず「大音量で曲をかけて行なう」ようにして下さい。ドラム単体では、剛性コントロールでサウンドを変えても、マスキング効果がないため、その違いがかなり分かりづらくなります。
    (今回の動画で音楽と一緒に演奏しているのも、剛性コントロールによるサウンドの違いを分かりやすくするためです。)

  • 「低剛性」はヘッドにスティックが当たった瞬間に、どれだけ指の接触面積を減らせるかが、カギとなります。
    ほとんどのドラマーが自分では脱力しているつもりでも、「普通剛性」か、「やや高剛性」になっているのですよ!
    ですので、「想像を絶するくらいの極端な脱力」ができないと、スティックと指の接触面積を減らし、低剛性にすることは不可能です。 この一番難しい「低剛性のスティックコントロール」ができるようになる事で、音色の幅が増え、サウンドをより多彩に操れるようになるのです。
    安易にできたつもりになってしまっては、何よりあなた自身のプレイの幅を狭くするという事に気付いてくださいね!


  • また、この剛性コントロールで最も注意してほしいのは、「スティックがヒットした瞬間の剛性をコントロールする」、という点です。 「ヒットした瞬間」は時間的にとても短いため、どうしても、振り上げや振り下ろし時の剛性をコントロールしてしまいがちです。 振り上げや、振り下ろし時の剛性をいくらコントロールしたところで、出音には反映されず、何の意味もなくなってしまいます。

  • つまり、スティック剛性コントロールは…
    1. 支点移動を可能とするフリーグリップ
    2. 様々な入射角度からヒットできるモーラー奏法
    3. マスキング
    …という3つの条件が揃っていないと、まず「練習自体」ができません。

    これらの条件を満たしていないのに、できたつもりになっている人の出音は、ただの強弱にしかなっていませんので注意して下さいね!

 1980年頃、現在の日本的奏法が発表される以前には、ポンタさん、青山純さん、山木秀夫さんを始め、日本でも大勢、世界に誇れるドラマーを生み出していた時代がありました。

 今、あなた達現代のドラマーがやるべきことは、その偉大な先輩ドラマーを超えることです。

 現代ドラマーに忘れてほしくないのは、音楽