35. 背骨と肩甲骨で叩く!?

 皆さんはドラミングの時、背骨や肩甲骨などの「背中側」を意識した事があるでしょうか?

 まず息を吸ってみましょう。吐いてみましょう。そして手を上げたり前に伸ばしたりしてみましょう。あなたが意識するしないに関わらず、その時、背骨が動いていませんか?

背骨

 人間は腕や脚を動かそうと思った時、まず「背骨が先に反応して動き、その後に手足が動く仕組み」に造られています。これは胴体と手足が筋肉によってらせん状にからみあっているために起こる現象で「胴体協調螺旋運動」といいます。

 背骨は大小24個の椎骨が連なり、下から腰椎(5個)、胸椎(12個)、頚椎(7個)の3つの部分に分かれます。この骨の柱はゆるやかにS字状に湾曲し、手足を動かしたり呼吸する日常的動作の中で「らせん運動」と「ヘビのような動き」を常に繰り返しています。(モーラー奏法などに見受けられる回転運動を主体としたスティックワークはこの原理を取り入れた“結果”であり、けっして手腕だけの奏法ではありません)

 ジェフ・ポーカロやデイヴ・ウェックルなどの超一流ドラマーの“演奏時の背中”に注目してみて下さい。「背骨が伸縮したりねじれたり」さらには「肩甲骨(肩)までもが上下前後に動いている」のを確認できることと思います。しかし、多くのドラマー達は不自然に体を固定させているため、背骨や肩甲骨が大変動きにくくなっているのではないでしょうか。(皆さんはどうですか?)

 頭も全くブレないくらいに背骨を固めたドラミングがもし正しいのであれば、海外の超一流ドラマーのフォームは“悪い見本だらけ”となってしまいます。(しかし彼らをそんな理由で酷評する人はいるのでしょうか?)

 もし、「手足の付け根である胴体や背骨」を無視してしまったら、手足を自由自在に動かす事はおろか“呼吸法を用いた音楽表現”も“躍動感ある演奏”も絶対に不可能です。

 超一流ドラマー達の行う“しなやかで流動的なフォーム”と“躍動感あふれる音楽表現”は「背骨の使い方にある」とそろそろ気付いてみてもいい頃ではないでしょうか?

背骨を反らす
背骨を反らしながら捻る
背骨を反らす
背骨を反らしながら捻る
※背中を上手く使いこなすためには人体力学の「胴体理論」が必要となります
背骨を丸める
背骨を丸めながら捻る
背骨を丸める
背骨を丸めながら捻る

(写真は当スクール生の仙石kunです)

※第26回:『動的自然体フォーム』もご覧下さい。

(2001年11月)