超高速スティックワーク(1997年9月)

 今回はアクセントと移動を伴う超高速域でのルーディメンツ応用についてです。

あなたはEX−1のフレーズを「表記通りに演奏」できるでしょうか?

超高速フレーズ譜例

 この32分音符を使ったルーディメンツ応用フレーズは「テンポ120」「フォルテ」の表記さえ省けば最も単純な初歩のパラディドルなのです。このような超高速フレーズを確実に行うには「オーバルモーション・ストローク」という慣性の法則に従った、移動のためのラインどりスティックワークが必要です。

 下の画像はEX−1のフレーズを演奏する際の「右スティック先端の動き」を線で表わしたものです。

写真A 写真B

 「写真A」のフル,ダウン,アップ,タップの4つのストロークを使った最も一般的なラインでは「腕にかかる不必要な慣性力」を殺すために筋肉が使われてしまうので「力み」が先行し、EX−1のフレーズを表記通りに演奏するのは不可能となります(テンポ90ぐらいまでが限度)。

 しかし、英語などの筆記体の文字をドラムセットの空間で描いたようにスムーズなオーバルモーションストロークを使った「写真B」のラインを使えば強力な慣性力をスティックのみにかける事が出来るので超高速のEX−1のフレーズも可能となるのです。

 また、バディ・リッチをはじめとして、超一流ドラマーの中には、スネアドラムだけで大音量の超高速フレーズを行う際にもオーバルモーションストロークを使うドラマーが数多くいます。その理由は、筋力を使う必要がほとんど無くなるために「ハードロックドラマーのパワー」と「ジャズドラマーのスピード」を同時に得ることが出来るからなのです。

 オーバルモーション・ストロークのマスターは、慣性の法則に従ったラインを知ることから始まるのです。



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