当スクールのドラミング無料電話相談で「ドラム人間科学の理論は誰が考えたのですか?」という質問を多く受けます。そこで今回はドラム人間科学の理論の一つである「人体力学」についてお話しましょう。 人体力学は古代中国で生まれた「筋力に頼らない合理的な身体の動かし方」を体系化した学問で、格闘術(武術)と共に戦国時代以前の日本に輸入され、様々な格闘術に取り入れられて発展しました。しかし残念な事に現在の我が国ではその原理もすっかり忘れ去られています。 ところで皆さんは、先頃来日してプロレスラーと試合を行った「400戦無敗の格闘家:ヒクソン・グレイシー」をご存じだと思いますが、実は彼も人体力学を使って闘っています。ヒクソン・グレイシー柔術のルーツは日本の柔術(現在の柔道とは違います)であり、筋力パワー偏重の現代格闘技界で人体力学を使っているのは彼だけでしょう。 ヒクソンが自分より体格的にも筋力的にもはるかに勝るプロレスラーやキックボクサー等と闘ってもけっして負けないのは、人間の身体構造から割り出された、筋力に頼らない合理的な身体の使い方を知り尽くしているからです。(彼はトレーニングマシンはおろか、腕立て伏せやヒンズー・スクワット等の筋力トレーニングもほとんど行っていません) ドラム演奏に体格や筋力は関係ありません。スティーヴ・ガッドやジェフ・ポーカロ等は日本人の平均身長と比べても小さく、デニス・チェンバースも身長はガッドと大差ありませんし、ヴィニー・カリウタは長身ですが筋肉マンではありません。 なぜ彼らが超一流のドラマーになれたのか?それは彼らの奏法が「人体力学」的に見て無理のない、筋肉を使わないものになっているからです。
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